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prometekのブログ

ヨーロッパのトレンド、ビジネス情報の発信

ヨーロッパとオーガニック食品

ヨーロッパにおけるオーガニック農産物の売り上げは10年間で4倍に増えました。フランスの実例を中心にヨーロッパでオーガニック市場の成長についてお伝えします。

 フランスでは、2015年のオーガニック食品市場全体の売り上げは57億ユーロに達し(ドイツはすでに80億ユーロ規模)、前年度から比べて、約10%の成長率でした。2014年と2015年の間の成長率は約15%でした。88%のフランス人が月に最低1度はオーガニック食品を口にしています。学校給食でもオーガニック食品を優先的に取り入れています。

 

基本的にオーガニック食品の消費量と収入は比例関係にあり、男性より女性の購入者が圧倒的に多いのも特徴です。多くの人がオーガニック食品は体と環境に良い、または環境保護・動物愛護・世界平和への政治的メーッセージと考えて購入しています。

 

人気に伴い、オーガニック食品はここ数年で随分と庶民化されました。大手スーパーでもオーガニック野菜・果物が販売され、オーガニック食品コーナーもあり、牛乳・卵・小麦粉・米・パスタなどのコーナーには必ずオーガニック製品が置いてあります。フランスのスーパーは独自ブランドの食品を製造販売し、他社商品よりも3割から5割安い価格設定にしています。近年、各スーパーマーケットのブランドにオーガニック食品が増えてきました(フランスでは特にCarrefour)。オーガニック食品は非オーガニック食品より2割から4割り増しの価格設定にて販売されていますが、スーパー独自ブランドのオーガニック食品が他社商品の非オーガニック食品よりも安くなっている場合も多々、見かけます。フランスに住んでいると、オーガニック食品は特別なものではなく、生活の中に普通に入り込んできている、という実感があります。

 

生産者も大幅に増えています。2015年末にはフランス全土で140万ヘクタール(全農地の5.1%)にてオーガニック農業・畜産業が行われております。2014年から23%アップで、この傾向はさらに続くそうです(2015年時点でオーガニック初年度になる農地は22万ヘクタールで、2014年度の3倍になります)。2016年末には全農地の8%、2017年には20%になる予想です。2015年には毎月200以上の農場がオーガニック認定を受け、2015年末にはフランス全土で28884の農家・農場がオーガニック認定されています(全体の6.5%)。2016年の1月1日と5月15日の間だけで3200の農家・農場がオーガニック農業・畜産業へ転向する準備を始めたそうです。

 

ところで、フランスのオーガニック食品にはよく、複数のオーガニックラベルが付いています。EUの基準に基づく緑の葉マークとフランス基準のABマークです。ラベルにより、オーガニック食品に対する規制に差がありますが、フランス人の50%以上は差について無知だそうです。実際には1985年にフランスで設定されたオーガニック食品規格(ABマーク)は2009年に導入されたEUオーガニック食品規格(緑の葉マーク)よりも、格段に厳しいもです。また、オーガニック食品を無農薬食品だと勘違いしている人の割合は50%以上に達しています(50−64歳の年齢層では56%)。

 

オーガニック食品の商業化に伴い、購入者は増えましたが、盲目的に「オーガニック食品=安全・環境に優しい」と信じている傾向があります。すべての食品がオーガニックになる事は可能なのでしょうか?

 

次回から:

EUオーガニック食品基準(野菜・果物、肉、魚、加工物)

オーガニック基準の矛盾

フランスでの動き

についてお伝えいたします。

 

参考文献

https://www.admin.ch/gov/fr/start/dokumentation/medienmitteilungen.msg-id-54365.html

http://alerte-environnement.fr/2016/03/23/un-francais-sur-deux-ignore-que-lagriculture-biologique-utilise-des-pesticides/

https://fr.wikipedia.org/wiki/Label_bio_de_l%27Union_européenne

http://www.foocom.net/column/shirai/13297/

http://www.natura-sciences.com/flash-actus/bio-francais-chiffres954.html