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機能性表示食品

日本では2015年4月から「機能性表示食品」制度が始まりました。ヨーロッパでは2012年に「健康強調表示」を一掃する為に承認制度を設けました。具体的にどんな表示が許可・規制されているかについてお伝えします。

日本では2015年4月から「機能性表示食品」制度が始まりました。国の定めるルールに基づき、生産者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠を販売前に消費者庁に届け出れば、機能性を表示することが許可されます。科学的根拠を基付ける実験は商品自体に対して実施されたのか、それとも含有成分に対するものなのかを明記することが義務付けれてています。また、臨床実験無しでレポート・論文などによる根拠を基に機能性を表示する場合は「報告されている」と表記することになっています。具体的には「コレステロールを下げる」、「美肌効果がある」、「ダイエットに最適」、「腸内環境の改善に」など比較的自由なキャッチコピーを表示できるわけです。

機能性表示は生産者・事業者の自己責任にて管理されています。つまり事前審査も審査機関もなく、認証・承認されたわけではないのです(特定保険用食品(トクホ)では必要)。

 

ヨーロッパでは2012年に、誇張され根拠に乏しい健康強調表示を一掃するために承認制度を制定しました(EU規制N°432/2012)。44000を超える食品を調査し、2760種類の健康強調表示の存在が確認されました。結果的に2000を超える「うたい文句」が「ガセ」と判断され、表示禁止となりました。有名な例では大手ダノンのヨーグルト「ACTIVIA」やヨーグルト飲料「ACTIMEL」がCMで有名だった「プロバイオティクス」というキャッチフレーズの使用禁止となりました(2009年にすでにアメリカの訴訟にて350万ドルの罰金が命じられていました)。EU規制違反の場合は上限375000ユーロの罰金が課せれます。「カルシウムは心臓に良い」や「緑茶は高血圧を抑える」などは科学的根拠に乏しいとされ、禁止されていますが「カルシウムは骨に良い」は許可されています。222項目の健康強調表示が許可されています。許可リストに興味のある方は以下リンクを参照してください。

http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2012:136:0001:0040:FR:PDF

 

参考文献

http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin1443.pdf

http://yakujihou-marketing.net/archives/1027

http://sante.lefigaro.fr/actualite/2011/08/01/16236-aliments-chasse-etiquettes-mensongeres