prometekのブログ

ヨーロッパのトレンド、ビジネス情報の発信

オーガニック食品製造業内のカーテル

オーガニック食品業界では加工・販売は多国籍大手食品会社のカーテルに属し、農作物生産は農化学カーテルの手にある現状、そして有機農家がF1品種を購入する理由についてお伝えいたします。

 近年ヨーロッパと北米では、大多数のオーガニック食品メーカーが大手食品会社(ネスレ、カーギル、コカコーラ、ダノン、等)へ買収されました。フランスではLima社(ガレット等のお菓子、ココア、豆乳、シリアル、パスタ、スープ、ドレッシング、豆腐等動物性タンパク質、お惣菜多種、等幅広く展開)とDanival 社(各種調理済み野菜、スープ、お惣菜多種、サラダ、ソース等。また和食人気にいち早く対応し、オーガニック味噌、乾燥味噌、醤油なども製造販売。)がアメリカのHain Celestial社へ買収されました。Hain Celestial社は遺伝子組換え作物製造大手のMontanto社、巨大スーパーチェーンWalmart社, タバコのPhilipp Moris社, 金融業社City Group 等とのつながりがある会社です。フランスでよく見るオーガニックブランド(Bonneterre, Bjorg(大手スーパーマーケットにて販売), Evernat, Allos, Tartex, Alter Éco等)はオランダのヨーロッパ最大大手食品会社であるRoyal Wessanen傘下の企業となっています。

 

また、以前お伝えした通り、ヨーロッパのオーガニック農作物の95%以上がF1品種です。このF1品種を独占的に製造販売しているのがMonsanto社(アメリカのアグロバイオ企業:農薬・種子製造社)、Bayer社(ドイツの薬品・殺虫剤会社、バイエル社は2016年9月にモンサント社を史上最高額にあたる6.8兆円で買収)、Syngenta社(スイスの農薬・種子製造社)となります。

なぜ、有機農家はF1品種を購入するのでしょうか?

食品安全近代化法(Food Safety Modernization Act)という法律が2011年にアメリカで執行されました。食の安全強化に対する意識向上を背景とし「農家から食卓まで」の食品供給ネットワーク全般に渡り予防的な衛生管理手法の導入を義務つけています。この法律は小規模農家や有機農家を「モンサント漬け」にし苦しめています。以下、ウィキペディアより引用させていただきます。

農薬耐性遺伝子組み換え種子と農薬との組み合わせやポストハーベスト農薬といった、多くの中大規模農家が行なっているような衛生管理手段をとらない有機農家や小規模農家は、種子の管理を徹底しないと、モンサント (企業)のような遺伝子組み換え種子会社から種子の所有権を主張されることになる。小規模農家や加工業者に対する適用除外規定がいつまで存続するかは未定である。

このような法律はアメリカ特有ではありません。メキシコを中心としたラテンアメリカでもモンサント等の特定種子提供会社から買わなければ、自由に農作ができないという「モンサント法案」が出ています。

政治的ロビー活動は熱意よりも札束で動いています。今後も多国籍企業が金にものを言わせて、搾取的法案・法律を可決させていくのでしょうか?

 

参考文献

https://ja.wikipedia.org/wiki/食品安全近代化法

http://www.natura-sciences.com/agriculture/bio-semences-bio886.html

https://resistance71.wordpress.com/2016/09/20/ogm-eugenisme-et-nouvel-ordre-mondial-le-cartel-mortifere-monsanto-bayer-syngenta-dow-a-loeuvre/