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フランスの地産地消への動き

フランスはヨーロッパ最大の農場国です。EUの農業生産総額の18%以上を占めていますが、農業大国とはいえ、流通しているオーガニック農作物はほぼ輸入に頼っています。フランスの有機農家はほとんがが小規模農家ですので、フランス産のオーガニック農作物は輸入品により値段的に弾き出されました。そこで鮮度と質で勝負ができる直売形式にて農作物を販売する農家が増えていきました。消費者は地元で育った新鮮な野菜を卸値で購入でき、環境に優しい地産地消をサポートする事ができます。食料自給率120%のフランスならではの贅沢で効率的かつ双方経済的な農産物・畜産物の直売についてお伝えします。

AMAP(Association pour le maintien d'une agriculture paysanne)

直訳すると「小規模農家サポート団体」となります。消費者が団体のメンバーとなり、有機農家が生産する野菜・果物を購入するという定期契約(1年間契約が基本)を交わします。消費者は週に一度「パニエ」と呼ばれる一定量(5kgが相場)の野菜・果物が入ったカゴを指定されている配布場所へ取りに行きます。農家は販売量が定まるため、作り過ぎ・売れ残りを防げます。消費者は生産者の顔がわかり安心でき、仲介料無しの価格で地元で採れた新鮮な野菜・果物を毎週食べる事が出来ます。私が住んでいる地域では1パニエ(5kg)は15€が相場ですが、ジュネーブ近郊の都市部では25€まで値上がりします。

このシステムは、1970年に日本で始まりました。公害病から子供達を守るために母親団体が地域農家と提携して牛乳・乳製品を定期購入した事から始まったそうです。現在も地消提携と呼ばれています。(海外では略されてteikeiと認識されていますが・・・個人的にフランスでAMAPに参加している人達からteikei、teikei、と尋ねられ最初は???でした。日本のシステムなんだよ、と言われて初めて納得しました)

フランスでは、このAMAPは消費者メンバーがボランティアで購入者登録、パニエ配布、マーケティング(口コミ、ネットサイト、チラシ等)を手伝うことが多いです。

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      夏野菜パニエ(例)        冬野菜パニエ(例)

 

マルシェ

フランスでは小さな町でも週に1回は必ず食品市場(マルシェ)が立ちます。マルシェにて直接販売スタンドを出し、収穫物を販売している農家もいます。マルシェには必ず鳥の丸焼き販売スタンドがありますが、地元の養鶏農家と提携している事もあり、鳥の丸焼きスタンドにて鶏肉を直接購入する事も出来ます。

 

食用肉直売

小規模な食肉農家(牛・豚・羊)は口コミのみで直売をしている事が多いです。5kgまたは10kg単位のColis (包装物)またはCaisette(小箱)と呼ばれる箱(色々な部分の肉が入っています)を生産者から直接購入します。肉は部分ごとに真空パックに包装されているので、冷凍保管が出来ます。私の住んでいる地域では牛肉13€/kg、豚肉8€/kg、羊肉10€/kgくらい、オーガニック牛肉で16€/kgくらいが相場です。肉屋の値段と比べると30ー50%ほど安くなります。

小規模農家では食肉解体が禁止されている為、食品衛生管理法に基づいた食肉解体場にて食肉にされパックされます。

f:id:prometek:20161126062111j:plain      豚肉10kg(例)

f:id:prometek:20161126062058j:plain     牛肉10kg(例)

 

参考文献

 

https://fr.wikipedia.org/wiki/Association_pour_le_maintien_d'une_agriculture_paysanne

http://nouest.com/direct-sales/

http://cholet.cartridgeworld.fr/bien-manger-cest-citoyen/#.WDijYDt-psM

https://amapbellevie.wordpress.com

http://www.frederic-turrel.com/?menu=produits

http://www.acheteralasource.com