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上下水処理

水処理に関しては、画期的な新しい技術の発表は見受けませんでした。スマートフォーン、またはネットサイト上で遠隔操作が出来る制御装置の展示が多々ありました。下水処理では、エネルギー問題への取り組みとして汚泥のメタン発酵によるエネルギー供給システムを多く見かけました。処理強化・増設要望に対する製品、産業排水処理装置、老朽配管内コーティング技術についてお伝えします。

 多くの上下水処理場の老朽化が進んでいます。そして処理強化・増設が必要な場合に対応すべく、コンパクトな増設可能システムの紹介が数件ありました。中には、生物下水処理設備全てをコンテナーサイズに纏めた、ターンキー(「鍵を回せばすぐに使える」から発生した速稼働可能製品として納品すること)システムを開発した企業もありました。この処理システムは臨時システムとしてバカンス地、建設工事現場等にも使わせているそうです。アフリカなどの新興国からの訪問者も多かったようです。

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産業排水の希釈放流に対する規制が強まり、工場排水の多くが産業廃棄物として扱われる為、各産業向けの排水処理装置も多々展示されていました。トラックに乗せ、移動可能な排水処理施設にて現場排水処理の外注をビジネスとしている企業もありました。フランスの産業排水の放流基準は 

浮遊・懸濁物質<35mg/L; pH = 6 - 8.5; 鉱油類含有量<5mg/L とされています。

セメント・コンクリートを使用する現場には必ず排水が出ます。このようなアルカリ性で水酸化カルシウムを多く含んでいる工事現場排水を処理する場合、特殊な化学的処理が必要となります。また、機械産業では切削油、潤滑油,作動油など様々な鉱油類が排水に混ざります。さらに、この鉱油類が洗浄時に使われる界面活性剤(主に洗剤)によりエマルジョン化する為、処理が難しくなります。蒸発濃縮装置の小型化・省エネ化開発も進み、約1/10まで濃縮する事も可能になりました(写真は同装置のミニチュア版)。また、膜処理技術も発達し、工場排水処理、特に鉱油類の除去に用いられています。

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システムの老朽化は、上下水配管にも見られる為、配管強化システムも展示されていました。配管内を工業用内視鏡で観察しならがら管内を洗浄してから管内コーティングする、エポキシ樹脂噴射成膜技術も展示されていました。

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以上、上下水処理技術速報でした。

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