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オーガニックで村おこし

日本では過疎化が進み、各地で地域活性化を目指し様々な村おこしが行われています。フランスでも農山村における人口減少・高齢化は問題視されています。1990年代以降、交通網が発達し都市人口が流出したこともありますが、都市よりも田舎へ住むことを好む人口が増えたという背景もあり、都市近郊の農村では人口が増加しています。しかしながら、近郊都市の無い農山村では依然として過疎化が進んでいます。また農業の産業化に伴い、多くの小規模農家が農業を諦めていきました。この様な問題に積極的に取り込み、村全体でオーガニック栽培を採用し見事な村おこしをした南仏の「コランス村」についてお伝えします。

コランス村(Correns) は南仏ヴァール県の中央に位置する、中世の趣が残る小さなワイン村です。

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過疎化が続き70年代には人口が400人弱となりました。1990年代になると、伝統的な小規模ワイン製造では採算が取れなくなり、ワイン栽培を諦め過疎化の道をたどるしか無いように思われていました。当時の村長はワイン製造に携わる土壌専門のエンジニアでもあり、この危機を乗り越える為にはブドウ栽培をオーガニック化し、さらに質の良いワインを製造する事だと訴えました。無数の小規模なブドウ畑を段階的にオーガニックへと発展させ、見事1997年にはフランス初の「オーガニック村」の称号が与えられました。現在は80以上の農家が250ヘクタールに及ぶ農地にて、昔ながらのブドウ栽培を行っています。農地では馬が畑を耕し、まさに天地人によるワイン作りをしています。

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また、オーガニック村の噂を聞きつけ20代・30代の新しい農業スタイルを目指す若者が次々に移住し養鶏、ヤギ酪農、蜂蜜製造、薬草・香草栽培などを発展させています。90年代には500人程度だった人口も現在は1000人近くになりました。また、オーガニック農法は人口のみならず、地域の動植物も増加・多様化させたそうです。

コレンス村では週に1度、学校給食を全てをオーガニック食材で出しているそうです。また公共建設にも環境保護概念を取り入れ、南仏特有の長い日照時間を利用した太陽光発電を推奨し、新築建設時は無償にて再生可能エネルギー専門家のサポートが得られるそうです。

日本にも、都市を離れ農業を始めたいと思っている若者、または次世代農業モデルを求めている若者がいます。彼らが先住人と共に開発・発展できるような環境・村があれば、それは村おこしに繋がっていくのではないでしょうか?

 

 

参考サイト

http://www.femininbio.com/agir-green/actualites-et-nouveautes/correns-premier-village-bio-de-france-9325

http://www.etfleurlavie.com/pages/divers/a-la-decouverte-du-1er-village-bio-de-france.html

http://www.lanouvellerepublique.fr/Indre-et-Loire/Loisirs/24H/n/Contenus/Articles/2012/07/18/Les-vignes-poussent-bien-sous-le-sabot-d-un-cheval