読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

prometekのブログ

ヨーロッパのトレンド、ビジネス情報の発信

オーガニック基準の矛盾

オーガニック食品 食品産業

オーガニック農法の矛盾点として

1)農薬の使用:オーガニックでも非オーガニックでも殺虫・殺菌効果が有る。

2)雄性不稔F1品種の使用:遺伝子異常と近年の男性不妊症。

3)オーガニック産業:産業化がもたらす環境問題。

についてお伝えいたします。

 

 

<農薬>

農薬に関しては、オーガニックでも非オーガニックでも作用は一緒です。殺虫・殺菌効果が有る為です。すでにお伝えしましたが、フランスでのオーガニック食品消費者の約50%はオーガニック=無農薬と捉えています。有機農法は、基本的に化学合成物質の使用は禁止されていますが、硫黄系化合物や銅化合物などの無機物質は農薬・土壌肥料として使用できます。また、植物由来の天然成分の使用もできます。植物成分の中には猛毒もあります(トリカブトの毒が有名です)。利用するには注意が必要です。使用時期、使用量や濃度によって人体・環境にとって危険な物質となりかねません。

オーガニックワインを製造するにあたり、頻繁に使用されている農薬として銅化合物が挙げられます。銅の有機化合物は生産コストが低いため他の野菜や果物の栽培にも広く使われています。銅はバクテリア、ウイルス、カビ等の微生物に対する殺菌性が認められています。抗菌の作用メカニズムは解明されていませんが、銅イオンが細胞壁から浸透して細胞内で致死量以上に達する、と言う理論が有力視されています。近年、銅の殺菌性が再評価され、病院などの設備に使用され始めています。銅化合物を農薬として使用する際の問題は1)銅は分解されない為土壌に残る、2)栽培植物に害を与える微生物以外の有益な微生物に対しても殺菌作用をしてしまう、という事です。

EUオーガニック基準によると、銅化合物の使用は5年間で1ヘクタールに対して30kg(銅の総量換算で)と規制されています。15年後のオーガニックワイン農地は1ヘクタールにつき約100kgの銅が土壌に存在するという事になります。果たして、その農地は作物を育てるのに必要な微生物が生存できるのでしょうか?オーガニック農法で許可されている沢山の天然成分は猛毒です。分解メカニズムが解明されていない物質がほとんどです。このような物質が土壌侵食等で水中へたどり着いた場合、環境変化に敏感な水中生物にどのような危害を与えるのでしょうか?本来、オーガニック農業は環境、経済、国際化社会問題に関してバランス良く持続可能な農法として始まりました。現時点のオーガニック農法が持続可能かどうかはまだ分かっていません。

 

<種子>

EUオーガニック規定では種子もオーガニックであることが義務つけられています。遺伝子組み換え作物(GMO)は使用できません。フランスで購入出来るオーガニック野菜・果物は95%が「F1品種」です。F1品種は形が揃うように、色のバラつきがなくなるように、運搬の際に崩れないよう皮を厚くしてあり、特定の病気への耐病性を持つように交雑された1代目(F1)作物で、メンデルの法則に基づき優性因子だけが現れるように品種改良された種子です。品種改良ですから、当然GMOではありません。

F1品種から採れた種を使用すると、隠れていた劣性因子が現れるため、F1品種は一度しか収穫できません。農家は毎年、種を購入する事になります。また、F1品種には雄性不稔が多く(雄しべに異常があるため、花粉を作れない等)、この性質はミトコンドリア遺伝子の異常から引き起こされます。細胞内には数千個のミトコンドリアが存在すると言われています。ミトコンドリアは生命の起源と言っても過言ではありません。本来有毒な酸素を使い、エネルギーを作る機能により生命が始まりました。ミトコンドリアは植物にも動物にも、そして菌類などにも共通する器官です。雄性不稔の野菜や果物を食べている私達の生活と、近年話題になる男性不妊症は、関係ないのでしょうか?植物の雄性不稔因子は1925年に偶然玉ねぎで見つかりました。そして、本来は自然界で排除されるべきこの因子を逆手に取り、高度成長期から頻繁に使用されるようになりました。自然淘汰されるべき遺伝子が急激に増え続けているという事です。

家庭菜園やガーデニングの際には伝統的な「固定種」を選ぶべきです。

 

<産業化>

市場が拡大するにあたり、オーガニック農業・畜産業もオーガニック産業となりました。工業的生産を取り入れにより、現在ではすべてのオーガニック食品の約半数は大型スーパーにて販売されています。大規模な輸入にて価格の引き下げを可能にしました。ブラジルでは、10km平方を単位とした単一栽培が基本になっているようです。本来、オーガニック農業は環境、経済、国際化社会問題に関してバランス良く持続可能な農法として始まりました。現在は、グリーンハウス内で季節に関わりなくトマトやピーマンのオーガニック栽培がイタリア、オランダ、モロッコ、イスラエルと各地で行われております。需要が国内供給を上回っているのです。確かに、フランスの農業で10ヘクタール規模のハウス栽培や100ヘクタール規模の野菜栽培は存在しません。しかし、他国では可能です。オーガニック野菜・果物の冷蔵輸入に大量な二酸化炭素を排出させています。また、EU圏外からの輸入の場合はEU基準を満たされいない場合もあり、品質コントロールにも問題があります。フランス環境・エネルギー管理省によると、季節外果物の空輸輸入の場合、季節中に地域で生産された果物の10−20倍の石油を消費しているそうです。

オーガニック加工食品に焦点を当てれば、本来は体に良い原材料でかつオーガニック、という厳選された原材料を使用して製造されていました。お菓子などが良い例でした(パーム油ではなくひまわり油、白砂糖ではなく黒砂糖、等)。しかし、大型スーパーにて販売されているオーガニックのお菓子は価格を下げる為に従来の原材料(パーム油、白砂糖、等)でオーガニック由来のものを使用しています。

 

農薬・種子問題については、非オーガニック農業では当たり前の話です。オーガニック野菜や果物は間違い無く、従来品よりも安全で化学合成物が入っていない食品です。産業化により手頃な価格で購入出来るようになった事は、消費者の食品への関心を引き上げ、食品選択肢を増やした事に繋がります。賛賞されるべきです。オーガニック農法により多くの問題が改善されている、という事は事実です。消費者が食べ物について理解し、考え、より良い選択をしていく時代が到来したのではないでしょうか?

 

 

参考文献

http://www.natura-sciences.com/agriculture/label-ab-label-bio-816.html

http://www.natura-sciences.com/agriculture/bio-industriel-supermarches.html

http://www.natura-sciences.com/agriculture/bio-semences-bio886.html

http://www.pseudo-sciences.org/spip.php?article2596

http://kosodatemedia.com/archives/804